サプライチェーン設計(最適化)

業界の現状

効率的なサプライチェーン構築は製造業、物流業、小売業などサプライチェーンと関連があるあらゆる企業で抱えている課題です。経営環境の変動に対処するためには、柔軟なサプライチェーン設計が必要です。

しかし、多くの企業においては、従来からのインフラに対してサプライチェーンの逐次改善を行っているのが現状です。複雑化したサプライチェーンの可視化や全体最適化に必要なデータ収集を行っている少数の企業では、サプライチェーン設計の準備ができている段階だと考えられますが、実際に最適化を行っている企業はまだ少数です。また、サプライチェーンのリスク、途絶発生時の復元力、持続可能性を考慮したサプライチェーン設計をしている企業はほとんどありません。

ソリューションの現状

サプライチェーン全体の最適化を行うためのシステムは、大きく分けてシミュレーションベースのものと数理最適化ベースのものに分けられます。前者は収集したデータを元にシミュレーションを行うものでデジタルツインと呼ばれます。後者はサプライチェーンでの施設の立地や製品のフローを数理モデルとして定式化し、それを最適化することによって意思決定に必要な解を算出するものです。それぞれ利点・弱点がありますが、シミュレーションベースのものは不確実性が強い場合に有効で、数理最適化ベースのものは探索範囲(サプライチェーンの自由度)が大きい場合に有効になります。

また、数理最適化ベースのものは、モデルの拡張(カスタマイズ)が難しいと考えられています。実際問題に現れるさまざまな固有の付加条件を数理最適化の定式化で記述するための自由度がシステムに含まれていないことが原因です。

MOAIソリューション

私たちは、シミュレーションベースと最適化ベースの2つのアプローチを融合することによって、サプライチェーン全体の最適化を目指す方法を提案しています。これにより、最適化ベースの統合事業計画(IBP: Integrated Business Planning )が可能になります。また、サプライチェーンを記述するための統一言語 Supply Chain Modeling Language  (SCML)を用いることによって、数理最適化ベースの弱点であったカスタマイズの難しさを克服することを可能にしています。

たとえば、多段階在庫方策の最適化には、シミュレーションを基礎とした解法を、施設の選定や調達・生産・輸送の最適化には数理最適化を用い、両者をSCMLで記述することによって、在庫を考慮したサプライチェーンのネットワーク設計を行うことができます。さらに、多期間モデルへの拡張や向上への製品の割当を生産計画レベルまで考慮した全体最適化も、SCMLの基本構成要素だけを用いてモデル化できます。また、リスクを考慮したさまざまなサプライチェーン設計モデルを提案し、途絶な変動に強いサプライチェーンを構築することができます。

提供方法

最適化課題解決フロー

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